7月9日(木)、国士舘大学教授で、過去に2度のオリンピックの金メダリストに輝いた、斎藤仁先生の講演会がありました。
教員にとっては大興奮のこの講演会でしたが、「金メダルの選手だよ!」といっても生徒にはピンとこない様子でした。というのも、斎藤先生が金メダルを獲得した1984年ロサンゼルス、1988ソウルオリンピックのときには、生徒たちはまだ生まれてもいなかったからです。
そんな生徒たちでしたが、先生のお話が始まるとすぐに表情が変わりました。中学から柔道をはじめ、高校・大学と厳しい練習にくじけそうになったお話し、それでも気持ちで乗り越え、オリンピックで金メダルを獲得したときの喜び、2度目のオリンピックでのプレッシャーとケガをしたときの苦悩など、時には高校生の目線にたって、やさしく、そして熱く語ってくださいました。その中でも、先生がしきりに生徒に投げかけた言葉に「目標を達成するために、今何をすべきか」というものがありました。この言葉は、スポーツをしている生徒だけでなく、夢に向かって、日々泣いたり笑ったりしているすべての生徒たちの胸にずっしりと響いたようです。
その後は、格技場に移動して、柔道教室を開いていただきました。柔道部員は、斎藤先生から直接、技の指導を受けることができ、またスポーツ系重点クラブの生徒たちも見学することができました。最初は緊張気味だった柔道部員も、先生のマジックにかかったように、体がほぐれ、柔道を心から楽しんでいるように見えました。
斎藤先生の指導を受けた、柔道部 石野孝君の感想
7月9日、全校生徒を対象に、斎藤仁先生による講演会が行われました。演題は、「金メダルへの道」というもので、先生の柔道を始めたきっかけから、ソウルオリンピックで金メダルを取る時までのお話をしてくださいました。
その話を聞き、共感できる部分もあれば、意外だなと思う話もありました。柔道の練習や試合のことだけでなく、けがで入院していた時の心境、リハビリセンターの患者の方に励まされたことなど、いろいろ話してくださいました。一番印象に残っている話は、父親の話です。東京から青森に帰郷し、また東京に戻るときの、斎藤先生のお父さんの言葉で、「人に負けてもいい、しかし自分には負けるな」という言葉にすごく感銘を受けました。
講演会が終わった後は、柔道教室が行われました。指導方法は、言葉で説明するのではなく、実際に見せながら教えてくれたので、私たちが初めて教えてもらったことでも、とてもわかりやすかったです。日本でもトップクラスの先生に教えてもらえるということで、全員が、ひとつひとつの話を聴き逃さないよう、すごく真剣な眼をしていました。約1時間半という短い時間でしたが、今後、ためになることばかりだったので、充実した時間になりました。この経験を活かし、今後練習に一層励みたいと思います。